乳がんが増えています。
我が国では乳がんが毎年どんどん増えています。
現在では1年間に約40000人の方が乳がんにかかり、約10000人の方が亡くなっております。
がんのうち乳がんだけで交通事故死の1.5倍の方が亡くなっているのです。けっして他人事ではありません。
マンモグラフィ検診で大丈夫?
現在、世の中ではマンモグラフィ(お乳をはさんで撮るレントゲン)が多く行なわれています。
もちろん触診(医師がお乳を触る)だけの検診よりは、はるかに役に立ちます。
しかし、マンモグラフィははっきりした乳がんのシコリがあっても、その約20%は写りません。
特に若い人(閉経前)で、50歳未満の方では約30%(3人に1人)のがんが見逃されているというデータが出ています。それでもマンモグラフィ主体の検診が行なわれているのは、厚生労働省が以前の 触診と比較して「触るだけよりは役に立つ」という結論を出したからです。
確かにマンモグラフィは石灰化というものの描出が得意で、それによってシコリを作る前の早期乳がんが見つかることがよくあります。
そのため「マンモグラフィは早期乳がんが発見できる」というフレーズをよく耳にします。
しかしこの早期乳がんの多くは、「非浸潤性乳管がん」といわれているもので、数年間放置しておいても命に影響しないほど初期なものです。 ですからマンモグラフィ検診が普及した現在も、乳がんの死亡者数は減るどころか増加し続けているのです。
乳がん検診には超音波を
命に影響する浸潤がん(シコリをつくるがん)の発見には、超音波検査がとても有効です。
もちろん全てのがんを見つけることはできませんが、一部の特殊なタイプを除いて約95%のがんを見つけることができます。
では、なぜ厚生労働省は超音波検診を推奨しなかったのでしょうか?
それは我が国で乳房超音波の専門家と呼べる人が少ないからにほかなりません。
現在、厚生労働省の班会議では乳がん検診に超音波を取り入れるにあたって、その技師の教育をどうするかを検討しているところなのです。
当院では以前より 日本超音波医学会認定の超音波検査士による "超音波検診" が行なわれています。
従来のマンモグラフィを使った乳がん検診にかわり、"超音波検診"と 医師による"触診"とを実施します。
(※マンモグラフィ検診は実施いたしません。)
佐久間 浩 : 超音波検査担当者
日本超音波医学会認定超音波検査士(認定番号No1)。 約25年間のがん研究会附属病院勤務を終え、2005年に独立。フリーの超音波検査士となる。 現在、十数施設において検査業務および医師・技師の指導に携わるかたわら、全国各地での 講演活動を行っている。 著書は『乳房アトラス』(ベクトル・コア)、『乳房超音波実践マニュアル』(医歯薬出版)、 『乳房超音波Q&A』(ベクトル・コア)など9冊にのぼる。