更年期外来あるいは思秋期外来 発足にあたって
更年期という言葉から何を連想しますか。人の一生は誕生から死までしばしば四季にたとえられる。 春 夏 秋 そして冬・・・・
この中で更年期と呼ばれるのは 50才前後の10年間の時期、いわば秋に相当する時期。
女性のみならず男性にも更年期 すなわち人生の秋はあります。 しかし 更年期障害というと 女性の更年期障害が思い浮かぶ。 なぜなら男は更年期にあるからといって女性ほど急激に身体症状の異常を感じないからである。 もっとも近頃はちらほらと “男性の更年期障害” などという言葉も出てきた。ストレス社会に悲鳴を上げる男性が増えてきたということであろう。
ところで秋といえば 秋は実りの秋、豊穣の秋という言葉がある。 更年期は実りの秋であり 紅葉の秋であり、豊穣の秋ともいえる。この時期は多くの女性にとっては 妊娠 出産 育児から解放され 自由に時間を使える時期でもあり 人生が一番充実開花する時期でもある。
子どもから大人になる時期を思春期という。 更年期を錦織りなす思秋期と言ってもいいではないか。
一方ではこの時期は 加齢による体力の低下や生活習慣病の出現、容貌の変化、生活環境の変化や卵巣機能の低下(女性ホルモンエストロゲンの低下)により 猛烈な心理的身体的ストレスがかかり、いろいろと多彩な身体症状、いわゆる下記にあげたような更年期障害がでてくる時期でもある。
顔面紅潮(のぼせ)疲労 いらいら 不眠 集中できない 憂鬱 記憶障害 頭痛 不安 神経質めまい 感覚異常 動悸 頻脈 悪心 下痢 便秘 関節痛 筋肉痛 手足の冷え 体重増加 頻尿 尿意切迫 膣乾燥感 性交痛 尿失禁 膀胱炎 膣炎 性欲減退
しかしこのような症状は 糖尿病、甲状腺疾患、うつ病、不安障害、パニック障害などでも起こるので 見極めが大切である。更年期障害の是正には 女性にとって従来の生き方、食生活、生活習慣、物事の考え方の軌道修正を求められる時期でもある。
当院の 「更年期外来あるいは思秋期外来」 では、従来ともすれば一般外来の合間 片手間的に行われがちな更年期診療を反省し、一人当たり一回最低30分の十分な時間を確保します。 単なるホルモン補充療法に終わらず、自律神経バランスの補正=自律訓練法や 物の考え方の修正を図る心理的認知療法など 多彩な治療法を取り入れて不定愁訴の解消を目指します。
担当:片山 進