乳腺外来

乳がんが増えています

我が国では乳がんが毎年増えています。
現在では、1年間に約90,000人の方が乳がんにかかり、約14,000人の方が亡くなっております。
一生のうち11人に1人の方が乳がんになるという計算になります。

乳がん検診には超音波を

命に影響する浸潤がん(シコリをつくる)の発見には、超音波検査がとても有効です。
もちろん全ての乳がんを見つけることはできませんが、一部の特殊なタイプを除いてほとんどの乳がんを見つけることができます。

よって、会社の検診や人間ドック(任意型検診といいます)では、以前から超音波検査が行われているところも多くみられます。
ただ、乳房超音波のスペシャリストは、まだとても少ないというのが我が国の状況です。
現在、厚生労働省では対策型検診に超音波を取り入れるかどうかを検討中ですが、結論が出るには、まだまだ時間がかかりそうです。
例えば胃がん検診でいうところの「バリウム検査(造影剤を服用したX線検査診断 )」がマンモグラフィ、「胃カメラ」が超音波検査だと考えていだたくと理解しやすいと思います。通常はじめから「胃カメラ」をやった場合、「バリウム検査」はされないと思います。よって、当院での乳がん検診の主流は超音波検査です。

当院では以前より 日本超音波医学会認定の超音波検査士による"超音波検診" が行なわれています。

担当技師:佐久間 浩

経歴
(社) 日本超音波医学会認定超音波検査士(認定番号No.1)。約25年間の癌研究会附属病院勤務を終え、2005年に独立。フリーの超音波検査士となる。現在、十数施設において検査業務および医師・技師の指導に携わる。著書は『乳房アトラス』(ベクトル・コア)、『超音波乳癌検診完全ガイドブック』(篠原出版新社)、『乳房超音波勘違いケース100』(南江堂)、『乳房超音波Q&A』(ベクトル・コア)など14冊にのぼる。

ご希望の方にはマンモグラフィ検診も行っています。

マンモグラフィは、乳房専用のX線装置で乳房を圧迫しながらX線写真を撮る検査です。

マンモグラフィは石灰化の抽出が得意で、それによってシコリを作る前の早期がんが見つかることがあります。しかし、この早期がんの多くは「非浸潤性乳管がん」といわれているもので、数年間(もしくは一生)放置しておいても命に影響しないようなタイプのものも多く含まれています。
また、マンモグラフィは乳がんのしこりがあっても写らないことが時々あります。それは患者様の体系や年齢に左右されますが、一般的に高齢者ほどよく写り、若い方ほど写りにくいという傾向があります。乳がんの最も多い40代(つまり若い方)では、30%の乳がんが見逃されているというデータも出ています。
マンモグラフィに超音波検査を併用して乳がん検診をお受けいただくことをお勧めしております。

乳がんの自己検診法

乳がんの一部(十数%)には、急速に大きくなる「タチの悪い乳がん」というものがあります。
したがって、運が悪ければ1年に1回の検診では間に合わない(助からない)こともあります。
よって、検診を受けているからといって安心せず、必ずひと月に1回は自己検診を行ってください。

鏡に向かって

  • 鏡の前に自然な状態で立ち、両方の乳房の大きさ、
    形、高さ、色に違いがないか、乳頭がくぼんで
    いたりただれがないか、よく観察します。
  • 次に両手をあげ、乳房にくぼみやひきつれが無いか
    を確認します。
鏡に向かって

触ってみる

  • 入浴時に石鹸を付けて触るとわかりやすくなります。
  • シコリを探すには親指以外の4本の指をそろえ、指先を少しずつずらしながら、乳房全体を押し撫でるようにします。
  • 乳房をつまむように触るとわからなくなってしまいます。
  • くまなく乳房全体を見ることが大切です。
  • 一番見つけにくいのは、乳頭の真下にできたシコリです。
    乳頭の奥は念入りに調べましょう。
  • 最後に脇の下の触診も忘れずに行いましょう。
    脇の下に転移して腫れたリンパ節を探すのが目的です。
    脇の下の奥の方に触れるシコリがないかどうか調べましょう。

「シコリがどんなものか?」「シコリがあるのかないのか?」初めはよくわからないかもしれませんが、毎月繰り返し行っていると、自分の乳房の形や硬さの特徴がわかってきます。前の月になかったシコリが触れれば、それが異常といえます。

*異常を見つけたら、次回の検診を待たずに早めの受診をお勧めいたします。

検診費用につきましては、お問合せください。