妊婦健診
妊婦健診は妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行うものです。毎回必ず母子手帳と妊婦健康診査受診票をお持ちください。妊婦健診を受診する間隔は妊娠週数によって異なります。
【妊娠23週まで…4週間に1回/妊娠24週〜35週…2週間に1回/妊娠36週以降…1週間に1回 】
ご主人や赤ちゃんの兄姉も一緒に診察室へお入りいただくことができます。
当院で分娩予約をされた方へのサービスとして赤ちゃんムービー(エコーダイアリー)を行っています。
産科医から妊婦さんへ
当院では、つねに母児にとっての安全を第一に考えて、分娩サポートや医療に取り組んでおります。妊婦健診を受ける中で、疑問や不安があれば、いつでもご相談ください。
産科における、おもな症状
初期の腹痛、出血(切迫流産)
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妊娠反応がでる5週くらいから、分娩予定日決定まで(12週頃)の初期は、生理痛に似た腹痛や、下腹痛を訴える妊婦さんは少なくありません。また、出血を主訴として来院される方も少なくありません。
胎児心拍が確認されていれば、下腹部緊満感に関しては、安静療法や薬物療法は効果あるといわれていますが、流産を予防するまでの効果を認める治療はないといわれています。安静療法として、自宅で経過観察することが多いですが、心配な症状が持続する場合は診察を受けて相談しましょう。
つわり、重症悪阻
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妊娠によりホルモンの変化で、一時的に嘔気、嘔吐、めまいなどが起こります。食欲低下、自律神経失調症状などにより、脱水や摂食困難な場合、まず、脱水の改善のために、点滴療法を行います。外来で通院される場合もありますが、重症の場合は入院管理も可能です。
切迫早産
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妊娠22週以降に、頻回な子宮収縮(痛みの自覚は関係ありません)、性器出血、帯下の増加などが主な症状ですが、診察にて経腟超音波で子宮頸管の長さが短いと診断された場合、状況により、入院管理となります。上記の症状が続けば、陣痛が発来したり、早期破水を生じたり、早産につながる可能性があります。治療は安静、薬物療法、腟内浄化(洗浄)などがありますが、いずれも早産にならないように、症状の進行をとどめるための治療が多いです。
状況によっては、治療が続けられない場合もあります(前期破水、絨毛膜羊膜炎、胎児機能不全など)。
絨毛膜羊膜炎
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胎児を包む膜に羊膜とよばれる膜があります。絨毛は胎児の胎盤の部分を意味します。つまり、子宮の中に何らかの感染を起こした状態を示します。症状としては、母体発熱、頻回に繰り返す子宮収縮、帯下の増加、子宮の圧痛などがあげられます。感染に対する治療が続けられない場合、早産につながる可能性があります。
妊娠高血圧症候群
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妊娠経過中,産褥12週間以内に、尿蛋白陽性、高血圧症状(軽症は拡張期血圧90mmHg以上収縮期血圧140mmHg以上、重症は拡張期血圧100mmHg以上、収縮期血圧160mmHg以上と基準はあります)を認めた場合を示します。発症した時期と状態により、管理が異なります。
治療としては、安静、食事療法、薬物療法などがあります。妊娠高血圧症候群は、身体になんらかの負荷(ストレス、体重増加)がかかると、症状が悪化します。また、「妊娠」そのものが母体に負荷がかかっている状態のため、症状悪化した場合、妊娠継続を中断せざるを得なくなり、早産となる可能性があります。
内服薬の相談
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妊娠経過全般でよくある質問です。医薬品で妊娠中に使用してもいいかどうか、医薬品により、胎児への影響がでる妊娠期間が異なります。個々の医薬品ごとに確認したうえでご説明いたします。また、当院受診の際には、薬剤師がお答えしますので、ご相談ください。
妊娠12週までの期間では、投薬により奇形を起こしうる医薬品も少数は認めますが、ほとんどの医薬品において、奇形性があると証明された医薬品が比較的少ないです(ワファリン、メトトレキセート(抗がん剤)、抗てんかん薬)。それ以外の医薬品は、医薬品の有益性、必要性と胎児への影響の可能性とを判断して相談してください。
以上の症状以外にも、気になることやご心配なことがありましたらご相談ください。
(参考資料:産婦人科診療ガイドライン産科編2017 日本産科婦人科学会 発行)
無痛分娩(和痛分娩)
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経腟分娩時の陣痛の苦痛を緩和させる方法をいいます。薬物を使用する方法として、一般的に行われているものが、腰部硬膜外麻酔といわれるものです。分娩時の怒責による、母体合併症(心臓疾患による心負荷の緩和、怒責による脳圧上昇・高血圧症状)による母体への負担軽減を目的にされます。また、患者様が希望される場合も行ないます。
硬膜外腔に薬物を注入するためのカテーテルを挿入し、薬物投与は一定間隔を空けて行います。処置による合併症には、低血圧、嘔気、嘔吐、穿刺後の頭痛、尿閉、胎児心拍低下(胎児心拍異常)、刺入部での硬膜外血腫、留置カテーテルの硬膜外腔内での破損、誤注入による局麻薬中毒、呼吸停止などがあげられます。
また、以下の場合無痛分娩が行えないこともあります。
- 凝固系異常
- 何らかの神経学的な異常、脊椎疾患既往がある場合
- 患者様の同意が得られない場合
- 針刺入部の局所感染,または全身の敗血症の場合
(参考資料 日本産科婦人科学会学術雑誌 第54巻7号2002年)
当院で無痛分娩を希望される方はこちらをご覧ください。
保健指導
すこやかな妊娠生活を過ごし、無事な出産を迎えられるよう、それぞれの妊娠時期に合わせたお話しをさせていただきます。妊娠・出産・育児について悩みや不安がある時はいつでもご相談ください。
助産師外来
助産師が通常の健診を行い、健康で楽しい妊娠期間を過ごせるようにアドバイスをさせていただきます。妊婦健康診査受診票も使用できます。
4Dエコー外来
立体的な画像で、赤ちゃんの様子がご覧になれます。
当院で妊婦健診を受けている方が対象です。